筋肉痛が教えてくれること

筋肉痛は良いこと?悪いこと?

トレーニーにとって筋肉痛があることはトレーニングの成果が現れているようで達成感や安心感の指標としている人が多くいます。また筋肉痛がないとそのトレーニングが良くなかったのか、または頑張れていなかったのかとそのトレーニングを反省してしまう人さえいます。

一般的に言われる筋肉痛は正式には遅発性筋肉痛といって英語ではD O M S(Delayed Onset Muscle Soreness)と呼ばれます。一般的にはトレーニングをした後の12時間から36時間後から始まり、トレーニング強度によっては変わりますが、大体1日から多くて5日程度続きます。筋肉痛をもっと理解するために、筋肉痛の原因やそれとどう付き合っていくかみてみましょう。

遅発性筋肉痛が起きる原因としては主に3つあります。

  1. 伸張性収縮による筋繊維損傷
  2. 酸化ストレス
  3. ミエリン鞘というニューロン(神経細胞)の周りを纏っている脂質の層にストレス

この三つによって起きます。

聞き慣れない言葉がたくさんあるのでまず一つずつ説明して行きます。

一つ目は伸張性収縮による筋繊維損傷とは、筋繊維が伸ばされた時に負荷がかかる動作、動きを繰り返すことによって筋繊維に小さな損傷ができて、炎症が生じて痛みを感じるのが筋肉痛の原因の一つです。例えばスクワットやデッドリフトなどは、お尻からハムストリングス(裏もも)の筋肉が伸ばされる時(しゃがんでいく時)に負荷が大きくなるので、筋繊維に小さな損傷がおきます。それに比べてヒップスラストはお尻の筋肉が収縮する時(筋肉を逆に縮めていく時)に負荷が大きくなるエクササイズなので、筋繊維が伸びていく時(お尻を下げていく時)の負荷はあまりありません。この点からいうとエクササイズの種類によってある程度、筋肉痛がきやすいもの、きにくいものというのに分けることができます。

また筋肉痛は、筋繊維の損傷に対しての炎症なので、血中のCPK (クレアチンキナーゼ)が上昇することによってどれくらい筋肉が損傷を受けたか知ることができます。たまたま筋トレをした次の日に血液検査や健康診断があった方がCPKの値が高くて筋トレしたことがわかることがあります。

二つ目の酸化ストレスについてです。

酸化ストレスはエネルギーを作り出すミトコンドリアのエネルギー生産が間に合わない時に起きます。これは一般的にトレーニングしている筋肉に対してテンション(負荷)のかかっている時間が長いとおきます。強度がそこまで高くなくてもテンションがずっとかかっているエクササイズ(重さではなく回数多いトレーニング)や、テンポの作り方によってこれを作り出します。例えばブルガリアンスクワットをやっている時、上で止まっている時間が長ければそれはテンションがかかっていない時間が長いことになります。またブルガリアンスクワットで下にいるときはテンションが一番かかっている時ですが、その時間を長く保ったり、動きが実際起きている時間を1ミリ1ミリコントロールして動きを作り出すと立っていく時もしゃがんでいく時も抜けないようにすることでエネルギーを多く必要とするので、同じトレーニングでもテンポ(トレーニングのリズム)によってこれを作り出すことができます。トレーニング時のテンポの重要性はこちらの動画をチェック!

三つ目のミエリン鞘というニューロン(神経細胞)の周りを纏っている脂質の層にストレスが加わった時に起きます。簡単にいうと筋肉ではなく神経系へのストレスで、狙ってやるものではなく、伸張性収縮(エキセントリック)トレーニングの時やいつもより重いものを持ったり、いつもの違う運動をした時に起きます。これに関してはパフォーマンス向上や筋肥大には直接関係ないものです。

筋肉痛の理由からわかること

筋肉痛の理由としてこの三つに共通することはどれも炎症反応ということです。筋肉痛というのは部位的な炎症のことを指していて、筋肉が実際にダメージされて痛いのではなく、起きている炎症が神経系へフィードバックして感じています。なので、筋肉痛を感じないからと言って筋肉のダメージ起きていないとは限らないのです。この炎症というのは必ずしも悪いことではありません。急性な部位的な炎症は「治すプロセス」としては必要であり、トレーニング直後に痛み止めを飲むことによって逆に痛みを誘発することがありますので飲まない方が良いです。回復を遅らせるだけでなく、筋肥大に必要な損傷を治すプロセスを阻害することもあると言われています。痛み止めが必要な時がたとえあったとしてもトレーニング直後にとることはお勧めしません。私がハードのトレーニングの後に摂取するのはアサイーです。シアニジンという炎症を修復する天然成分が含まれています。抜群の抗酸化力と吸収率の良いポリフェノールなので痛み止めで痛みをなくす発想ではなく、しっかり炎症ケアをすることが必要です。スパイスアップスクールのオンラインダイエットでもっと詳しくお話ししているのでチェックしてみてください!

筋肉痛はトレーニングの指標にならない?!

さて筋肥大がなぜ起きるかについて説明してきましたが、筋肉痛を自分のトレーニングが良かったか悪かったかの指標にしてしまう人がいるという冒頭でお話しましたが、そもそもトレーニングの目標を考えてみてください。トレーニングの目標は筋肉痛を起こすことでしたか?それとも自分の目標に向かって体を変えることでしたか?おそらく後者だと思います。それであればトレーニングの次の日に筋肉痛がなかったら自分の頑張りが甘かったのかと後悔するのではなく、常に目標にあっているトレーニングができているかを考えていることが大事です。

自分の目標が筋肥大であれば、ある程度の筋繊維損傷や酸化ストレスを起こすようなトレーニングは必要なので筋肉痛は起きるだろうと予測できます。ではその痛みの強度によってトレーニングの質を測ることができるのかというと答えはNOです。一般的には2日以上続く筋肉痛はそのトレーニングの刺激は強すぎたと言えます。2日以上続く筋肉痛があるから筋肥大が早いかというとそうではありません。筋繊維損傷を起こし、それを修復するというプロセスがコンスタントに体にかかることが大事です。簡単にいうと継続が大事ということです。

例えば、定期的に週2〜3回のトレーニングができている時の方が筋肉痛が少なく、トレーニング期間が1週間以上空いてしまった時の筋肉痛はひどくなったりします。その場合、筋肉痛がひどく来た1週間以上たった周期でのトレーニングがいいかというと、筋肉痛の感じ方は薄いけど、頻度が高い方が確実に筋肥大に向かいます。なので筋肉痛が大きいから良いことではないことがわかります。

また筋肉痛というのは、その人の元々のフィットネスレベルや摂取している栄養や睡眠にもよりますし、遺伝によるところもあります。

トレーニングを頑張ったのに、筋肉痛がこなかったら?

実際、筋繊維損傷や酸化ストレスがかかったトレーニングを行った時でも筋肉痛がなかったということもあります。これは回復力が素晴らしく良かったり、トレーニングの内容がしっかり目的のためにできていて且つその刺激が筋肉痛が来るか来ないかのギリギリの強度だった場合です。同じ強度や量には体は対応できるようになり回復も早くできるようになるので痛み(炎症)が残るところまでいかない有効なトレーニンもあります。

頻度高くトレーニングをするアスリートは筋肉痛があってはパフォーマンスも落ちてしまいますので、筋肉痛が残るレベルではなく、有効なトレーニングであると言うギリギリの強度でトレーニングすることが求められるくらいです。これは筋肉痛がなくても有効な筋肉への刺激はあることを意味します。また逆も一緒で、筋肉痛がなくなったから100%回復しているかと言うとそれも必ずしもそうではありません。

もちろん筋肥大が目標であれば同じ強度や量でやった時に筋肉痛がなければ、次のトレーニング時は少し刺激をあげる指標にはなりますが、筋肉痛がないからダメだったとは言えないのです。

筋肉痛が目標ではないのではなく、体を変えていくことが目標であることを忘れないようにしましょう。

またトレーニングの方法を変えたり、いつもやらない種目をやったり、トレーニングをサボる期間が少しあり、また再開した時、新しくトレーニングをはじめた時はある程度筋肉痛が長く重く続くことがありますが、違う刺激や使い方によるもので必ずしも良いトレーニングができたから筋肉痛になったわけではないです。

目標は筋肉痛を作ることではなく、目標の体に変えること

筋肉痛と言うのはトレーニングによる炎症反応であり、そのトレーニングの良し悪しを決めるものでは全くないのです。

酸化ストレスを作るトレーニングやエキセントリックのエクササイズ(筋繊維が伸びる時に負荷がかかるエクササイズ)に取り組んだ時に炎症が起きやすいと言うことはエクササイズの種類によって筋肉痛がある程度決まります。筋持久力や筋肥大が目的ではなく、筋肉のストレングス向上の場合は、筋肉痛をそこまで感じずに筋肉は強くなっていくことは可能です。

また今までやったことのない重さや動きを行う時には神経系への刺激が加わり、エクセントリックな動きでなくても筋肉痛を感じることもありますし、サボった時も筋肉痛がいつもより大きいはずですが、これも良いトレーニングだから起きたわけではないです。

栄養や睡眠状態や頻度など全て一定にすることが難しい場合は、筋肉痛だけでトレーニングの質や強度を決めないように注意しましょう。

大事なのは回数を目標にしないで、自分の使いたい筋肉を使っているかどうかの意識(mind-muscle connection)が大事になります。筋肉痛や回数やセット数などわかりやすい数字や感覚の指標に一喜一憂したり、安心したりせずに、エクササイズ一回一回の質をあげていけるようにしていきましょう!

何度も言いますがトレーニングは目標を持って、その目標のためのトレーニングが必要であり、筋肉痛を作ることが目標ではないのです!!

 

 

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